米国の集合住宅市場、2025年は安定回帰の兆し
- hayashi30
- 4月19日
- 読了時間: 2分
家賃上昇・空室率低下で投資環境が好転中
大手不動産サービス企業CBREの最新レポートによると、2025年初頭のアメリカ集合住宅(マルチファミリー)市場は、パンデミック後の混乱期を脱し、安定と慎重な楽観が広がる局面に入っています。過剰供給に悩まされた数年間を経て、供給と需要のバランスが取れつつあり、投資家にとって魅力的な環境が戻り始めています。
■ 投資家心理が回復、キャップレートも改善
2025年Q1(第1四半期)における投資基準(アンダーライティング)は、コア物件で改善傾向を示しました。
取得時キャップレート:6ベーシスポイント(0.06%)低下
売却時キャップレート:3ベーシスポイント(0.03%)低下
IRR(内部収益率):レバレッジなしで安定、2023年半ばの水準に近づく
これは、FRB(米連邦準備制度)が金利の引き下げに慎重な姿勢を見せる中でも、長期的価値への信頼が戻ってきたことを意味します。
■ 投資家心理の回復傾向
コア物件の購入意欲がある投資家:2024年末の44% → 2025年Q1には65%に増加
売却側も悲観から中立的な姿勢に転換
このポジティブな見方は、サンベルト(南部州)を中心に全米で広がっており、以前は苦戦していたサンフランシスコなどの沿岸都市にも再び注目が集まっています。
■ 住宅需要は堅調、空室率は改善中
集合住宅市場の「基礎的要因(ファンダメンタルズ)」も良好です。
2025年の年間吸収戸数予測:約46万戸(過去最高水準)
新規建設は減少傾向:建設着工はピークから大幅に減少
完成戸数も縮小見通し:供給圧力が軽減 → 空室率が安定
これらの動きにより、2025年の家賃は平均2.6%上昇、全国の空室率は5%未満に下がるとCBREは予測しています。
■ 地域別の展望:サンベルトが引き続き牽引役
テキサス州、フロリダ州、アリゾナ州などのサンベルト地域や、人口増と経済成長が顕著な主要都市(例:アトランタ、ダラス、ナッシュビルなど)が市場回復をリード。パンデミック時に急増した供給を吸収しつつあり、賃料と稼働率が平常化しています。

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