住宅価格の高騰で若年層の住宅購入が困難に - 1980年比で所有率が低下

1980年以降、住宅価格の中央値は世帯収入の中央値よりも大幅に上昇し、住宅所有が困難になっています。アーバン・インスティテュートの調査によると、住宅購入の重要な時期を迎える35歳から44歳の住宅所有率は、1980年と比較して10%以上低下しています。

メリーランド州知事ウェス・ムーアは、住宅が単なる住居以上の価値を持つと強調。自身の経験を例に、住宅が安定、投資、緊急時の頼りどころ、そして将来世代への資産となると述べました。しかし、今日の経済状況では、初めて住宅を購入しようとする人々にとって、住宅所有は手の届かない目標となりつつあります。メリーランド州の若者の約30%が高すぎる住宅コストのために州外への転出を検討しています。

ハーバード大学住宅共同研究センターの2024年の報告書では、全米の賃貸人と住宅所有者の両方が高い住宅コストに苦しんでいることが示されています。収入の30%以上を家賃と公共料金に費やす「コスト負担」のある賃貸人の数は、2022年に過去最高を記録。高い住宅価格と金利により、数百万人の住宅購入希望者が市場から締め出されています。

アーバン・インスティテュートの調査は、低所得層の35歳から44歳の人々が、同世代と比較して住宅所有率が最も大きく低下していることを示しています。教育も住宅所有格差を拡大する要因であり、低所得層の世帯主で大学の学位を取得する人の割合が減少しています。

全米不動産業者協会の2023年のデータによると、黒人の住宅所有率は44.7%と、人種グループの中で最も大きな前年比増加を見せましたが、白人の72.4%には依然として大きく遅れています。過去10年間、黒人の住宅所有率は50%を下回っており、資産形成の機会が限られています。

アーバン・インスティテュートは、低所得世帯への教育機会の提供、頭金援助、住宅生産促進のための規制緩和などの政策変更が、住宅購入をより容易にすると提言しています。