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アトランタの「改正樹木条例」に開発業者が猛反発

  • hayashi30
  • 4月6日
  • 読了時間: 3分

「森の中の都市」として知られる米・アトランタ市で、樹木保護を強化するための新条例案が市議会で審議されています。しかし、その伐採補償費(recompense)の大幅引き上げをめぐって、不動産開発業者や住宅建設関係者から強い反発が起きています。

■ 現行制度と改正案の違い

現在、開発業者や所有者が敷地内の木を伐採する場合、以下のルールで補償費を支払う必要があります:

▶ 現行制度:

  • 伐採1本あたり基本料金:$100

  • 樹木の太さ(直径)差額 × $30/インチ

  • 補償費上限:1エーカーあたり$5,000

例:10インチの木を6インチの新木に植え替える → $100 + 4×$30 = $220

▶ 改正案(段階的導入):

  • $30/インチ → 最大$260/インチ(2029年までに)

  • 補償費の上限を撤廃

  • 優先保護樹種リストの作成・保存義務

  • 戸建住宅にも前庭への樹木植栽義務化

  • 建築許可前に「樹木プラン」の提出・承認が必要

■ 伐採費用が実質800%超の値上げに

アトランタの開発会社Windsor Stevens Holdingsによれば、現在19本の樹木を伐採する費用は約$20,000(約296万円)。しかし新制度下では、同じ伐採で$155,000(約2,300万円)以上が必要になる見込みです。

さらに、手頃な価格の住宅を手掛けるFortas Homesでは、これまで$1,200程度で済んでいた補償費が$38,000に膨れ上がるとし、「3,000%のコスト増加」になると警鐘を鳴らしています。

■ 不動産・住宅業界からの反発の声

Habitat for HumanityやAtlanta Commercial Board of Realtors(ACBR)などの業界団体は、以下を求めています:

  • 補償費の大幅な引き上げ見直し

  • 低所得住宅プロジェクトへの100%免除

  • 敷地内での柔軟な樹木配置を認める措置

また、Selig EnterprisesやAtlanta Land Trustなどは、1インチあたり$60+1本あたり$100に抑える代案を市に提出。現行の上限($5,000/エーカー)も維持すべきだと主張しています。

■ 政府側の主張:「樹木保護は都市の気候対策」

条例草案に関与した非営利団体Trees AtlantaのGreg Levine氏は次のように語ります:

 「補償費はずっと安すぎた。今の価格は樹冠(canopy)を回復するための“本当のコスト”を反映している。」

また、条例案を共同起草したアトランタ樹木保全委員会のNabil Hamman氏は、「開発業者は常に反発するが、我々は都市の緑を守る責任がある。補償費を払ってもらうのは当然。」

とし、収益を確保しつつも開発と樹木保護のバランスが必要だと主張しています。

■ 不動産開発への影響と今後の展望

  • 市議会は4月21日に再度この条例案を審議予定

  • 同時に都市計画・用途地域の全面改訂も検討されており、樹木条例にも影響が出る可能性あり

  • 開発者側は、正式施行前の調整と現実的なコスト試算に基づく対話を強く求めている

市議会メンバーのMatt Westmoreland氏はこう述べています: 

「条例が都市の樹冠を守りつつ、住宅供給の妨げにならないよう、数字に基づいた冷静な議論が必要だ。」



 
 
 

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